池田市民文化会館アゼリアホール〔INTERVIEW〕

 池田市民文化会館アゼリアホールの加納雅子さん、名原貴子さんインタビューをさせていただきました。
昨年度のMOT!公演の様子や、今年度の公演の魅力、またホールで音楽を聴くことの魅力などをお話いただきました。

―昨年度のMOT!公演バロックコンサート「バッハ名曲選~音楽の父 バッハ名曲線」の反響はいかがでしたか。

 昨年はコロナの影響が徐々に収まり、なかなか演奏会に外に出られなかった方が久しぶりに演奏会に来られたということで、多くのお声を頂くことができました。『秋に聴きたいバッハの名曲集』をテーマに、管弦楽組曲第3番「G線上のアリア」などバッハの代表作を中心にプログラムを構成しまして大変ご好評いただきました。公演を行うイベントスペースは、通常の舞台と客席がはっきりと分かれる形ではなくフラットな形でステージを作り、それを取り囲むように客席を設置しています。この点も「より身近に演奏者を感じることができる」とご好評頂いています。

―わたしたち学生も昨年度の公演を見に行かせて頂いたのですが、繊細な音色でお客様がリラックスして聴いてらっしゃったのが印象的でした。

 公演の中で指揮者の小野原さんがアットホームな感じでお客様に語りかけるようにトークされていたので、リラックスしてお聴き頂けたのではないかなと思います。

―今回はクラシック名曲選ということですがクラシックの魅力や今回の公演で使用される楽曲の魅力を音楽初心者にも分かりやすく教えてください。

 仕事に携わる中で少しずつクラシック、バロックの魅力が分かってきたところなのですが、当時のきらびやかな宮廷の文化や季節や人々の感情などが音で表現されているのも一つの魅力かと思います。曲から想像することは人それぞれ違いますが、日々の時間の経過や年齢を重ねるにつれ感じるものが変わる事に不思議な魅力を感じるようになりました。一生涯かけてゆっくり楽しむ事ができるのもクラシックの魅力かなと思っております。

 ―同じ曲であっても、お客様それぞれが違った解釈ができるというのも魅力なのですね。
  今回のテーマに「もういちど聴きたい」とありますがこれはどういった意味が込められていますか。

 タイトルを考える時に意識しているのが、みなさんに分かりやすいかどうか、かつ初めての方も来てもらいやすいかどうかということです。今回は50回記念という事になるので、よりいっそうどんなタイトルにするか悩みました。その際に、今までのお客様からのアンケートを参考にしたところ、多くのアンケートにあった言葉が「もういちど聴きたい」というフレーズでした。来場者のみなさまのお声を取り入れられれば面白いかなと感じ、今回タイトルにさせていだきました。

―曲目についてはこれまでに演奏されたことのある曲が選ばれているのでしょうか。

 はい、これまでの演奏した曲の中でご好評頂いて、尚且つ初めてお越し頂いた方でも聞いた事があり親しんでいただける曲を厳選しました。

―初心者の方でもクラシックに親しみやすい曲が聴けるのは嬉しいですね。アゼリアホールさんが思う「ホールで聴く音楽」の魅力とは何でしょうか。

 やはり実際に会場に足を運んで演奏者と観客の方と一体となって感動を分かち合うというか、共有できるというのが何よりも醍醐味かなというふうに思います。コロナ禍でしばらく生の演奏に触れる機会がない状態が続いておりましたが、会場に実際に来ることでしか味わえない環境があると感じています。当館もコロナの緊急事態宣言の間は中止になったり延期になったりしておりましたが、ようやく収まってきたのでぜひ今回会場に足を運んでいただけたら嬉しいです。

―今回のMOT!参加公演である「第50回記念バロックコンサート もういちど聴きたいクラシック名曲選~奏でられた軌跡~」の見どころを教えてください。

 今回は50回記念ということで、これまで演奏された曲の中で特に人気の高かった曲を厳選してお届けします。初めていらっしゃる方でも「聴いたことがある!」と思っていただけるような曲を厳選していますので、お気軽にお越しいただけるサロンコンサートになっております。指揮者の延原武春さんはとても軽妙なトークをされますのでそこもぜひ楽しんでいただければ。延原さんは大阪音楽大学のご卒業なんですよ。

―私たちの大先輩にあたる方なんですね。

 そうですね、テレマン協会も在学中に結成されています。今はバロック音楽の世界を代表する方ですが、学生の時から先駆者でいらっしゃいました。チェンバロの高田泰治さんも大阪音楽大学のピアノ科を卒業されています。大先輩お二人が出演されますのでぜひご来場ください。

―ぜひ私たち学生も当日伺いたいと思います。今回チェンバロを聴くことができるということですが、ピアノとの違いや魅力を教えてください。

 ピアノは弦をハンマーで叩いて音を出すのに対して、チェンバロは音を弾く撥弦楽器ですのでとても繊細な音色が出ることが特徴です。今回の会場であるイベントスペースは、ホールよりも小ぶりな空間で、なおかつ壁や天井もよく響きます。チェンバロのように繊細な音の場合でも、小さな音からすごく豊かに、よりダイレクトに伝わります。この空間ですと、小さな音でも臨場感があるので、テレマン協会さんもすごく喜んでいらっしゃいます。

 ホールの場合は、どちらかというとオーケストラとかピアノの演奏とか大きな音を包み込むような迫力のある音響空間なので、また一味違った音楽の響きを楽しんでいただけると思います。

―お話を伺って、お客様にダイレクトに音が届くというような印象を受けました。

 イベントスペースにいらっしゃると、感動されるお客様も多いんです。ホールですと、通常は演奏者と客席が明確に分かれていますが、イベントスペースはあくまでフラットな空間ですので目の前で演奏を聴けるということも魅力かと思います。

 お忙しい中インタビューにご協力くださった池田市民文化会館アゼリアホールの加納雅子さん、名原貴子さん、ありがとうございました!
「第50回記念バロックコンサート もういちど聴きたいクラシック名曲選~奏でられた軌跡~」は11月11日(土)14:00より池田市民文化会館3階イベントスペースにて開催です!
みなさま、是非ご来場ください。