池田市民文化会館〔INTERVIEW〕

池田市民文化会館(アゼリアホール)外観

池田市民文化会館(アゼリアホール)いけだ市民文化振興財団 事業担当 名原貴子さんに、MOT事務局(大阪音楽大学ミュージックコミュニケーション専攻)からのメールインタビューにお答えいただきました。

 

ーホールの特徴について教えてください。特に、他のホールとはここが違う!ということがありましたらお願いします。

池田市民文化会館は、アゼリアホールの愛称で親しまれており、お子様からご年配の方まで、地域の皆様と共に地域文化の創造に努めております。また、約80台に及ぶ無料駐車場は大変好評いただいており、公共交通機関や高速インターからのアクセスもよく多くの方にご利用いただいております。
当館の特徴としましては、池田は「池田の猪買い」「池田の牛ほめ」「鬼の面」と古典落語の舞台になっていることから(3つも存在することは珍しい事なのです)、“落語のまち池田”として「アゼリア呉服座寄席」と称した特色ある落語会を年間通して数多く開催しております。また、初代、二代、三代の桂春團治を顕彰する「いけだ春團治まつり」では地元商店街やNPO、寺と恊働して地域を盛り上げたり、縁の方々をお迎えしてテーマ性を持たせた落語会などを開催し、毎年多くのお客様で賑わっています。
また、全国で初めて公共ホールを活動拠点とするプロのビッグバンド「アゼリアジャズオーケストラ」が発足し、年2回の定期コンサートのほか、恒例の夏の野外ジャズフェスティバルなど様々な公演を行っています。

 

ー主催公演をつくる上で意識していることは何ですか?また、地域の方々にホールに足を運んでいただくための取り組みがありましたら教えてください。

私が担当のバロックコンサートの場合、いかに敷居を下げ、多くの方に気軽に楽しんでいただけるかを常に意識しており、タイトルやチラシのデザインも分かりやすくやさしいデザインを心がけています。
また、地域住民の方に足を運んでいただくため、より多くの方に目にとめていただけるよう近隣でのチラシ・ポスターの設置等、来場者の世代に合わせたPR方法を日々模索しております。

ーホール周辺の環境やおすすめスポットを教えてください。

ホール周辺は公園が隣接し閑静な住宅街が広がっています。
おすすめスポットはアゼリアホールの最寄り駅、阪急石橋駅前の「石橋商店街」です。
電車をおりたらどこからか焼き鳥のにおいが漂うこの商店街は昭和の雰囲気が漂い、飲食店、雑貨、居酒屋など老若男女多くの人から親しまれています。
道幅の狭いこの商店街、いちど歩いてみてください。

石橋商店街

ー昨年のMOT!公演についてのお客さんからの意見がありましたら教えてください。ホール担当者としての感想もお願いします。

お客様からは阪急沿線だけでなく将来的には能勢電鉄などにも広がっていったら楽しいねというお声をいただきました。担当者としては、広くPRしていただいたことでアゼリアホールをより多くの方々にお知りいただいたこと、またコンサートにも新しいお客様をお迎えできたこと、大変うれしく思っております。

ー今年のMOT!公演の見どころ、聞きどころを教えてください。

池田市民会館で開催されるバロックコンサート。49回目となる今回は秋に聴きたいバッハの名曲を弦楽とチェンバロでお届けします。バッハの代表作「管弦楽組曲第3番」は少し変わった趣向で一般的によく知られたフル編成のものではなく管楽器や打楽器が入っていなかった初演時の編成でお届けします。2022年4月東京文化会館での公演では“耳の垢を取る響きだった“(音楽の友2022年6月号 澤谷夏樹)と評されました。チェンバロはドイツ在住の高田泰治が演奏します。協奏曲や独奏曲も交え、バッハの魅力をたっぷりお届けします。指揮者延原武春の解説付きでバッハを身近に感じるひとときを。(日本テレマン協会より)

第49回バロックコンサート〜音楽の父 バッハ名曲選

ーホールとしてMOT!に参加することの意義、今後に期待することをお聞かせください。

このようなコロナ禍だからこそ地域のホールの連携・協力によって生み出せる何かがあるのではと期待しております。音楽大学様ならではの企画コンサートで各ホールをつなぎ、次世代への音楽文化振興を地域が一体となって取り組めることが今後できれば面白いなと思います。

ーお客様へのメッセージをお願いします。バロックコンサートに馴染みのない方も指揮者のトークを交えた気軽なサロン風コンサートとなっております。
演奏者との距離が近くより身近に親しんでいただける機会となっておりますのでどうぞお気軽にお越しください。

 

編集:浦井璃子(ミュージックコミュニケーション専攻4年生)