小説×オーケストラ、「哀しみ」テーマのコンサート~センチュリー豊中名曲シリーズvol.23

今回私は、2022年10月29日に豊中市立文化芸術センターで開催された「センチュリー豊中名曲シリーズVol.23『夜、でしゃばる悲哀』」に行ってきました。

センチュリー豊中名曲シリーズは、公共ホールとオーケストラの共同制作により年4回の公演を開催しており、今年度は喜怒哀楽の4つの感情をテーマとして企画されています。

今年度2回目となる本公演は「哀」をテーマにドビュッシーとグラズノフの2人の作曲家による3曲のプログラムで構成されていました。

ロビーからホワイエに進むと、劇作家・演出家・俳優の藤井颯太郎さんによる短編小説の朗読劇「声の展示」が開催されていました。

この小説は豊中市立文化芸術センターが各公演の前に発行する情報誌aperitifで連載されているものです。日常的な空間であるロビーから、ホワイエで一気に非日常的な雰囲気に包まれ、より開演が楽しみになりました。

本公演の指揮は角田鋼亮さんで、グラズノフ作曲≪ヴァイオリン協奏曲 イ短調≫では関西出身の周防亮介さんがソリストをされていました。会場はしんみりとした雰囲気が漂っており、涙を流しているお客様もいらっしゃいました。

独特な緊張感のある公演でしたが、ソリストの周防亮介さん演奏後やプログラム終了後は多くのお客様による大きな拍手に包まれていました。

私自身はクラシックのコンサートを聴きに行く機会は少ないですが、生のオーケストラによる演奏は、迫力があり圧倒されました。生で聴かなければわからない感情を揺さぶるような体験を楽しむことができ、「オーケストラによるコンサート」の魅力を再確認できた日になりました。

(執筆:永井さやか)