オルガンとオーボエの荘厳な響きと余韻~第360回市民のためのオルガンコンサート
10月14日(金)に宝塚ベガ・ホールで~2つの”O”の対話~第360回市民のためのオルガンコンサートが開催されました。吉田久子(オルガン)、上月真子(オーボエ)が出演し、≪羊は安らかに草を食み≫や≪オーボエ協奏曲BWV1053 第1楽章≫などが演奏されました。
阪急宝塚線の清荒神駅で下車し、踏み切りを渡ったすぐ先に宝塚ベガ・ホールがあります。アクセスはとても良いです。
ホールのすぐ横にはカフェが併設されていて、地域でも人気だそうです。
ホールの中へ入ると、ホワイエが広がっています。グレーのカーペットにレンガ調の壁で、落ち着きある空間です。開いた扉から中へ入ると目に飛びこんできたのは、照明に照らされたパイプオルガンとその両脇にある色鮮やかなステンドグラスです。天井に吊るされた照明と細やかな内装が上品さを感じさせます。
今回の公演は、年齢層の高い方々が多く来られている印象を受けました。
今回で第360回を迎える「市民のためのオルガンコンサート」は、1981年から始まり、オルガンの荘厳な響きに親しんでもらいたいという思いで開催されています。
演奏が始まると、パイプオルガンとオーボエの音がホール中に響き渡り、パイプオルガンの独奏とアンサンブル演奏を聞くことができました。
J.S.バッハ作曲≪羊は安らかに草を食み≫は、CMのBGMにも使用されているので、聞き馴染みのある曲でした。原曲はソプラノとリコーダー2本、通奏低音による編成ですが、今回はオーボエが旋律を演奏していました。
パイプオルガンとオーボエのアンサンブルは、今まで聞いたことがなく新鮮でした。パイプオルガンは直線的な音色をもち、オーボエは曲線的な音色をもっており、一見合わさらないように思います。ですが、2つの楽器に共通して言えるのが、柔らかく丸みのある音質をしているということです。
それぞれの演奏が穏やかに混じり合い、音の余韻まで聞き入ってしまうほど綺麗でした。
1時間程度の公演ではありましたが、心地良い時間を過ごすことができました。
(執筆:三和奈々美)